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はじまり2

返ってきたのは簡単な返事だった。

「うん。クロノスやめるから」

私たちのパーティーチャットは止まった。
クロノスを始めて日の浅い私たちは、アイテムを手に入れて喜んでいる。
けれど、目の前に今まさにクロノスを去ろうとしている人がいて、その人は閑散としたテラでアイテムを捨てている……。
チャットが止まったのはせいぜい十数秒だったし、その時ヲリさんとバルさんが何を考えていたかはわからない。
ただ、その十数秒の間にキャクターが画面を動くことはなかったし、誰かが話題を変えて話し始めることもなかった。

チャットを動かしたのはバルさんだった。
「やめちゃうんですか?;;」
「うんw」
「なんでやめちゃうの;;」
詮索されるのはあまりいい気がしなさそうなものだけれど、その人は特に気分を害した風でもなかった。

「飽きたwww」

バルさんは
「・・・w」
と発言して、それ以上は聞かなかった。
「飽きたんですかw」
ヲリさんがその人の周りを歩く。

「そそwだから勝手に拾ってw」

その人は地面に置かれたアイテムを取るよう私たちに重ねてすすめた。

「どれでも好きなの持ってってwもう必要ないから」

言われて、私たちのパーティーチャットはまた流れ始めた。
「どれを拾えばいいかわからない^^;」
アイテムを拾って、性能を見てはまた拾う。
「いっぱいあるから><」
時々ノーマルチャットで発言して、
「誤爆^^;」
「w」
アイテムを捨てている人とそんなふうにやりとりした。

「君の職はヲリ?」

ノーマルチャットでその人からアクションがあった。
その頃になると、はじめは大きな敵の姿に変身していたその人の変身は解けて、私たちと同じキャラクターの姿に戻っていた。
歩き回るのをやめてヲリさんが答える。
「はい。ヲリやっていこうかなーと思ってますー」

「なら、その××を持っておくといいよ。HPが増えるから」

「???」
何を拾えばいいか決めかねている私たちにその人がアドバイスしてくれているようだというのはわかるけれど、話が見えない。
チャットに?が並ぶ。
「ヲリのことわからない;;」
「はい><」
無責任に言い合っているバルさんと私をよそに、
「ヲリでHPが増えると何かあるんですか?」
直接聞いたのはヲリさんだった。
少し経って、

「HPが増えると●●でやれるしねw」

それまでその人の返事が明快なものばかりだったからか、その言い方は少しあいまいな言い方のように感じた。
――●●って何だろう。
ノーマルチャットに三人三様の『?』が流れる。
その人なら付け足して説明してくれそうなものだけれど、しばらく待ってもその人は●●について話してくれそうにない。
気がつけば、アイテムを捨てる音はいつのまにか聞こえなくなっていた。
「●●って何ですか?」
とうとうヲリさんが聞いた。










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テーマ : 眠らない大陸クロノス

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